植えたばかりの新苗も、ほかのバラと同じようにステムが伸びて蕾がつき、そのままにすると花が咲きます。花を見たい誘惑にかられますが、HTやフロリバンダはじっと我慢して、蕾が見えたら5枚葉の上でそっと摘まんでおきます(ピンチする)。禁断の花を咲かせると、まだひ弱な新苗には負担が大きく、後々の成長に悪影響を及ぼします。ピンチした箇所から、又芽が伸び出し蕾がつきますが、ピンチを繰り返します。やがて根元から新しいシュートが伸び出し、蕾が見えたら、このシュートの根元から数えて6〜8枚目ぐらい上の5枚葉の上でピンチします。このとき5枚葉のつけ根を見て、芽の先が毛のように細く伸びていたら(ヒゲ芽)、その下のピラミッド形の良芽を選んでピンチします。ヒゲ芽はすぐ蕾がつき、よいシュートにはなりません。このシュートのピンチ箇所から、再び芽が伸びて(2本伸び出したら上の1本だけにする)2回目のピンチをする時、最初にあった元枝を根元から切り取ります。この枝は新しいシュートを発生させるための元枝で、役目を終えたわけです。新しいシュートの2回目ピンチの頃になると、最初にピンチした1段目の葉が濃緑で、厚く固くなり、大切な光合成を十分行うことができる、一人前の葉になっているので、元の枝は切除しても大丈夫なのです。いつまでも残しておくと、無駄な養分を使うので、お礼を言って別れてもらいましょう。
元枝も残した方が、光合成の助けになるとの意見もありますが、植物は本来葉がついているその枝(自分自身)を成長させるために栄養分を作るのであって、同じ木に属するほかの枝が伸びるための手助けはしません。人間にたとえれば、兄弟姉妹の助け合いはせず独立独歩なのです。自分自身が成長する、枝先から頂端の細胞が分裂して伸長するための栄養分を送り続けるのです。もし、どうしてもほかの枝に送りたいときは、出てくる新芽をすべてつぶし、栄養分の行き場を失わせると、やっとほかの部位に転送するようになります。そんな面倒なことをしなくても、新しいシュートが1人前になれば、元枝はもういらなくなるのです。秋まで大事にしても貧弱な枝になり、花も期待できません。ただ、不幸にして新しいシュートが出なかったり、途中で虫に食われたりして、元枝だけになることもあるので、新しいシュートが出てきたらすぐとか、最初のピンチを行った直後などには元枝を切除しないことも大切です。元枝だけでも残っていれば、7〜8月になってもシュートが出ることもあります。
HT種は、できれば秋まで花を見るのを我慢して、次々に出るシュートのピンチを繰り返し、9月1日前後に剪定して秋花を咲かせてください。もちろんピンチなどしないで花を見ても、それで木が枯れるとか、衰弱するなどの心配はないのですが、かなり成長が遅れます。
F種(フロリバンダ)は、HTに比べ丈夫ですから、シュートを一度ピンチしたら、次に伸び出したシュートには花を咲かせても、木の成長に支障はありません。
ミニバラ(Min)は更に強健ですから、ピンチなどせずに、そのまま花をつけても元気によく育つので、初めから花を楽しんでください。
つるバラは、今年1年間シュートを伸ばすことに専念して来年に備えます。伸び出したシュートは、面倒でも支柱などを添えて、なるべくまっすぐ上に伸ばしてください。横に倒すと、成長ホルモンが先端から各芽に分散して伸び出し、全体に枝数が増え細枝が多くなり、太い立派な主幹枝が少なくなります。細枝ばかりだと花も貧弱になります。
オールド・ローズやモダンシュラブ、イングリッシュ・ローズなどの新苗も、シュートが伸び出し葉が固まってきたら、時期を見て元の枝は切除してシュートを育てます。四季咲き性のものは秋まで育てて、軽く剪定するようになります。
尚、「
育て方アドバイス」の新苗の育て方〈シュートピンチの要領〉もご参照ください。