このホームページの内容は、関東以西のバラの手入れについて書いているので、東北地方や北海道などの寒冷地でバラを栽培している方には、細部のことになると、あまり参考にならないかも知れませんが、基本的な事はお伝えできるのではないかと思っています。分からないことがありましたら、(財)日本ばら会にお尋ねください。(財)日本ばら会には各地に支部がありますから、例えば北海道の方なら、北海道のベテラン会員を紹介します。
バラは北海道では既に雪の下で冬眠していますが、12月になっても関東以西の地域では、まだ葉が青々として懸命に光合成を行い、根元に栄養分を送り続け、来春の開花に備えています。
今年は夏の暑さが厳しかったので、バラの樹もダメージを受けました。よほど熱心なバラ作り以外は、ひどいクロホシ病に侵され、落葉して気息奄々のバラがほとんどでした。先月にも述べましたが、バラの樹が丸ハダカになっても、新しい枝が伸び、葉が茂ってきたら、その葉をクロホシ病から守り、少しでも光合成産物を根元に送る努力をしてください。
来春の芽出しは、根元や太い根に蓄えられた栄養分によってまかなわれ、芽出し後、葉が展開してくると、初めて光合成を行うようになり、普通の葉の半分ほどの大きさになると、光合成はピークに達します。その後は細根(白根)から供給されるチッソ、リンサン、カリなどの肥料成分を使って、葉で栄養分を作り、自らの枝葉を伸ばしていきます。
そのような理由で、葉を大切にすることの重要性を述べたのですが、実際には新しく出た葉も、すぐクロホシ病に取りつかれ、治まらないことの方が多いものです。そんな時は、栄養分の貯蔵よりもクロホシ病の方が怖いので、すべての葉を取り除いてください。
12月も半ばを過ぎるとそろそろ休眠期に入ります。しかし、バラの休眠期は思いのほか短く、12月中旬〜1月下旬までの1ヶ月半ほどです。地上の芽はまだ眠り続けていますが、地中の根は2月に入ると白根が伸び出し、芽出しの準備を始めます。
大苗の植え替えや、購入苗の植えつけ、鉢物の植え替えなどは、休眠期を利用して行うのがベターです。それは、休眠期なら根をかなり切っても大丈夫だし、発芽までには十分回復するからです。実際にはこの時期より遅れることがしばしばですが、2月いっぱいぐらいならほとんど支障はありません。3月に入っても可能ですが、春花への多少の悪影響は避けられません。遅くなればなるほど、せっかく伸び出した白根(肥料成分を吸収する大切な根です)を傷めるので、その分回復が遅れるわけです。
鉢物は毎年植え替えが原則です。10号鉢以上なら2〜3年ごとでもよいのですが、要は鉢内に根がいっぱいになっているか否かです。試しに鉢からバラの株を抜いてみてください。根が十分張っているか、あまり張っていないかが分かります。分かりにくかったら土を振るい落としてみればよく分かります。根が少なければ簡単に土が落ちます。そんな状態なら植え替えずにそのまま1年間育ててください。竹の棒や菜箸などで根をほぐさなければならなかったり、根をハサミで切らなければならないほどになっている株は、植え替えないと、春の花は咲いてもその後の生長が悪くなります。
各地の講習会などでよくある質問ですが、鉢植えのバラを買って4〜5年経っているが、最初は沢山咲いたのに、その後はさっぱり咲きませんが、どうしてでしょうか、と真剣な面持ちです。多分、根詰まりですよ。鉢の中がバラの根ばかりになって、水も空気も入りにくく、やっと生きている状態なので、肥料を吸収できず、花の咲く力が無くなっているのです。
12月になったら、株を引き抜いてください。根ばかりになっていたら、ハサミを入れて半分以上切り詰めて植え替えれば解決します。判で押したような答えに、こちらが忘れたころ喜びの声が届くことがあると、こちらも嬉しさ倍増です。
最近4,5年コガネムシ類が鉢土に産卵し、土中のサナギが根を食べつくして、バラの樹を枯らす被害が増えています。この被害を防ぐ意味で大鉢も根を調べるために鉢から抜いてみることをお奨めします。10号鉢に幼虫が20匹も入っていてびっくりしたことがあります。
※大苗や鉢植えの植え方については「育て方アドバイス」をご参照ください。
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