季節のお手入れのポイント 12〜1月

バラのお手入れの要点「12〜1月」

バラ愛好家の皆さん、バラ仕事始めです!!

関東以西の地方ではバラのシーズンが11月でほぼ終わりです。
東北以北の寒冷地では10月にはバラの冬ごもりがすんでいます。

バラ自身は休眠期に入りますが、バラ栽培にはお正月休みはなく、すぐ次の月から来期に向けての大事な仕事が始まります。

去年1年間の"貴方のバラ"は如何でしたか?

さて昨年の反省も大切ですが、この冬に是非行いたい「お手入れの要点」を申し上げます。主要事項としては以下の4項目があります。

1.我が家のバラ庭の「土力(つちりょく)」(Earth Power)をパワーアップします。
「栄養分」や「水分」を吸収する部分は、バラ本体を支えている主根・太根・直根ではなく、根の先端部分にある「細根・毛根・白根」なのです。この細根・白根等は土の中を網の目のように自由に伸びて肥料成分、水分を吸収すると共に、空気(酸素)を呼吸して、活発に活動します。根の活動が活発であることによって地上部の枝・葉も旺盛に茂げるわけです。
さて去年1年間に根の吸収活動等で土の中の有機物、栄養物、ミネラル分などが吸収されて、消耗しているので、土も「団粒構造」から「単粒構造」(イラスト参照)になり、「水はけ性・水もち性・空気の保持性」等が悪くなり、根が活動するには不都合な環境になっています。
それを改善するためにリン酸分ミネラル分の補給も含めて「元肥」と「堆肥や腐葉土」をすき込み、土の「団粒化」を進めます。
イラストを見て下さい。土は本来「粘土」粒子「微砂」粒子とから出来ていて、その粒子と粒子が重なり合って隙き間の少ない「単粒構造」になり、「水はけ性・水もち性・空気の保持性」等の悪い土になっています。
そこで図のように堆肥・腐葉土等の「有機繊維質分」や「動物の残骸」を加えることにより、それが土粒子間の「接着剤」の役割をして隙間や細孔の多い「団粒構造」に改善されます。さらに、「軽石粒、パーライト粒、鹿沼土粒」等を補充すると、まるで羽根布団のような、バラにとって、理想的な「土壌」になります。ですから、これを冬の間に是非行って下さい。
そうすることによって、根の伸長が旺盛になり、貴方のバラが元気に、見違えるように育ちます。バラ作りが楽しくなります。

バラ作りは何といっても土作りからスタートです!!

土の「団粒構造」と「単粒構造」のイメージ

HT,F,Sの成木1本当りを念頭に、現在お庭に植えてあるバラの株の周りを掘って、上記のように「腐葉土や堆肥」(5L以上)、「軽石粒パーライト粒鹿沼土粒」(少々10%程度)と「元肥」として油かす(200g)・米ぬか(200g)・骨粉(200g)・草木灰(黒灰)(100g)又は硫酸カリウム(30g)・過リン酸石灰(100g)を目安に一緒に混ぜて下さい。冬は多少、根を切っても大丈夫です。これでバラが喜ぶ土になります。来年が期待されます。(Min,Old Rose,CLには上記の半量でよいでしょう。庭植えの「追肥」については後日申し上げます。)

2、昨シーズン中に悩まされたカイガラムシ、ハダニ、黒点病菌等の越冬を阻止するために冬でも十分消毒をして下さい。特に古幹枝の樹皮の割れ目や株元の土にも十分行って下さい。普段、使っている農薬で結構です。

3、「鉢植えの土替え」をします。@コガネムシの幼虫(いも虫)が鉢の中に入っていると大切な細根・白根を食い尽くして、ひどい時には枯れてしまいます。またA根のガン腫Bネコブセンチュウ等も鉢から抜いて調べないと見つけられません。その他、C傷んだ黒根を取り除くのも大事です。原則、毎年鉢の土を取り替えてあげるのが「バラに対する愛情」です。鉢土の例:赤玉土(小粒)(50%)、腐葉土堆肥(40%)、軽石粒パーライト粒鹿沼土粒(10%)で肥料分は混入しません。発酵有機肥等遅効性肥料「置肥」します。

4、「つるバラの誘引」は今月中に完了して下さい。

寒さに負けないで、ご健闘を祈ります!!

以上、「12月〜1月の手入れのポイント」を説明しました。

さらに詳しく知りたい方は以下のどちらかをご利用下さい。
(1)公益財団法人日本ばら会の会員向け機関誌月刊「ばらだより」をご参照頂くか、
(2)日本ばら会開催の各種講座にご参加下さい。
 問合せ先:Tel:03-3702-9413 Fax:03-3702-9414

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